

| 編集部員が出払ってしまうと、編集長はひとりぼっち。電話とメールの応対の息抜きがてら、原稿のこと、ストーリーテリングのこと、キャラクターの立たたせ方など、いろんなネタを書き溜めています。 |
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| ●インドネシアのほうから来ました。● | 5月20日 | |
先日、野暮用があって姫路市へ行ってまいりました。 大型連休終了直後ということもあり、市内はのんびりしてました。おかげさまで、天守閣の修理風景を目の当たりにできる施設「天空の白鷺」に一般見学客枠で入場でき、めったに見ることのできない光景を目に焼きつけてきました。 さて、帰りに駅弁を買ったのはよかったのですが、新快速電車の車内で広げる根性はなく、自宅に持ち帰らざるえませんでした。 お茶を沸かしながら掛紙を眺めていると、「播磨の味づくし」という、期待感をあおる商品名の脇にローマ字が添えてありました。“HIMEJI AJI DUKISHI”。変なローマ字表記の代表格「ヘボン訓令折衷タイプ」(今、名付けました)との久々の出会いでした。初めて見たときには驚いた。 それは、島津さんという方からのメールに記されていたものです。プライベートなメールアドレスなので、ローカル部は苗字のローマ字表記というあたりさわりのないものでした。 そこにあったのは、“shimadu@******.com”の文字。 すぐにはわかりませんでした。 「シマドゥ? なにこれ?」 ヘボン式に馴れた私には、すぐにはわかりません。 ローマ字とかなの対応規則に思い至るまでしばらくかかりました。 かなで「しまづ」と書くから、“shimadu”なんですな。 “shimazu”では「しまず」になってしまうということでしょう。 いずれのケースもIMEのローマ字入力からの発想なんですね。 「ローマ字」とひとくくりにしてしまい、ヘボン式も訓令式もごっちゃになってしまっているから、こんなことが起きるのでしょう。 もし、ローマ字は訓令式に限るというのなら、“simazu”“AZIDUKUSI”となるはず。島津さんのメールアドレスにしても、駅弁の掛紙にしても、そんな意思のこもった“du”ではないはずです。 「ヘボン訓令折衷タイプ」は“du”に集約されます。これを目にするたびにギャランドゥとかキサナドゥとかの単語が脳裏を飛び交うのですが、なお混乱しますから、ヒデキやジャガーズの件はひとまず置いておいて……。 “づ=du”へのこだわりはわかるのですが、ヘボン式との混在であるかぎり、個人ルールであり一般性はありません。パスポートも作れないでしょう。 それにしても、“du”と“zu”で「づ」と「ず」を表したいのはわかりますが、発音の区別はつきませんよね。 かなや日本語に忠実でありたい、という姿勢は立派ですが、かえってエキゾチックさが引き立ってしまうのは残念です。 シマドゥさん然り、アジドゥクシ然り。 なんだかインドネシアっぽいですよ。 ローマ字入力におけるローマ字とかなの対応規則とローマ字表記は別物だということを、タイピングの習い始めにきちんと教わっていれば、こんな誤解もなくなるのかもしれません。 しかし、ローマ字表記は完璧になるかもしれませんが、生産性はがた落ちだったりして。私などは、た行は「t+母音」ですから、これが封印されると、「ち=chi」「つ=tsu」となり、けっこうストレスが溜まりそうです。 そうなれば、最後の手は登録単語+短縮読。入力する文字は日本語にすらなっていないけど、モニターには日本語の文章が流れるように表れて……。 このサイバーな光景は、タッチタイピングの理想像かもしれません。 しかし、これって40年ほど前の日本語入力システム「連想2ストローク方式」の単語版と呼んでもいいような感じですな。人間が変換マシンと化して、がんがん入力していくという意味で。 ま、汎用性がまったくないのがちょっとした欠点ですが(ダメじゃん!)。 |
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